MINOLTA X-500/600/700/New700
ミノルタXシリーズの最終型、3桁シリーズの差異をまとめて見ました。旧X-700はNewX-700で写真を代用している部分があります。セルフタイマーレバー部分だけは実記が無いので写真なしです。
基本的に違いがある部分だけをピックアップしています。一緒の部分は書いていません。
 
X-500 X-600 X-700 NewX-700
測光モード マニュアル
絞り優先AE
マニュアル
絞り優先AE
マニュアル
絞り優先AE
プログラムAE
マニュアル
絞り優先AE
プログラムAE
ボディ色
銀(一部輸出仕様のみ)

ファインダ内
表示内容
測光モード
AE測光値
ME選択値(Mモード)
絞り値(直読式)
測光モード
AE測光値
ME選択値(Mモード)
フォーカスサイン
測光モード
AE測光値
絞り値(直読式)
露出補正サイン
測光モード
AE測光値
絞り値(直読式)
露出補正サイン
露出補正 なし なし +2〜-2(1/2ステップ) +2〜-2(1/2ステップ)
シャッター速度
ダイアル
X-70と同等 母体となったX-300系のもの X-700独自仕様 X-700独自仕様
電源スイッチ
スライド式
OFF/ON/警報ON
スライド式
OFF/ON/警報ON
回転式(ダイアル前面)
警報ON/OFF/ON
回転式(ダイアル前面)
警報ON/OFF/ON
マウント MC MC・開放F値 MC・MD(最小F値) MC・MD(最小F値)
使用電池 SR44/LR44×2 単4×2 SR44/LR44×2 SR44/LR44×2
電動化対応 オートワインダーG
モータードライブ1
オートワインダーG オートワインダーG
モータードライブ1
オートワインダーG
モータードライブ1
プレビュー ×
AEL ×
スローシンクロ 絞り優先AE時のみ
(AEL押下)
絞り優先AE時のみ
(AEL押下)
なし
カスタム改造不可
カスタム改造を受けることでMモードでのみ使用可
シンクロ接点 ホットシュー
ドイツ式接点
ホットシュー ホットシュー
ドイツ式接点
ホットシュー
ドイツ式接点
ピントマット アキュートマット
交換対応
アキュートマット
専用仕様
アキュートマット
交換対応
アキュートマット
交換対応
MCより前のレンズでのAE レンズ側で絞込み レンズ側で絞込み 開放測光でAE可 開放測光でAE可
 
○実際に使っていての差異について。
 ファインダについてはダントツでX-500が使いやすいです。X-700とは同じミラーとマット、プリズムが使われているにも関わらず、X-500だけがなぜか明るくピンの山も掴みやすくなっています。X-600については明るさはX-700と変わらないですが、フォーカスエイドのおかげでそこそこズボラが効きます。ちなみに私自身は以前は「フォーカスエイドがタコ」とここで書いたのですが、めがねの乱視補正が正しくなかったおかげでピンを追い込めない状態になっていたのが原因でした。X-600使用者でフォーカスエイドとマット面でピン山が違うという人は一度必ず乱視の精密検査をなさったほうがよろしいです。私の場合はそれで乱視補正コンタクトNGまで判明しており、メガネを作り変えた今では問題ないです。
 
 その他の操作については、ストロボの使用頻度が多いとかAutoROKKORをAEで使いたいっていうのであればNewX-700のスローシンクロ改造機、絞り優先AEでしか基本的に使わないのであればX-500が一押し。X-700の瞬間絞込み測光はオートロッコールや初期SRマウントレンズでも確かにAEで使えますがシャッターラグが結構大きいんです。X-500や600はレリーズを切った瞬間にシャッターが走ってますから。露出補正に関してもフィルム感度である程度補正できますし、いざとなればMモードで調整もできますからね。とりあえずPモードを使わなければ、X-500とX-700にほとんど差はないと思っていいです。ただし、X-700には瞬間絞込み測光のおかげで0.2秒くらいのシャッターラグが発生しますので、それを嫌う方はX-500を使われたほうがいいです。
 
○X-600について
 X-600のピントマットは前面マットの中央にスリットが入ったフォーカスエイド専用仕様です。ぱっと見た感じでは外れなさそうなんですが、ところがどっこい、ちゃんと外れるんです。X-600は意外と細かい差異が多く、チェックしてて初めて気づいたのは外付けストロボ接点がないということでした。プレビューレバーや絞り値直読み窓が無いのは有名ですけどこれは知らなかったなぁ。こいつの鬼門は2箇所。1つは電池室の蓋、もう1つは裏蓋のグリップです。特に裏蓋のグリップゴムは崩壊しやすく、我が家の個体も部品取りに確保していたNewX-700の裏蓋を流用して使っていますし、電池室の蓋も無理やりちゃんと止まるように加工固定してあります。
 
○X-700について 
 手持ちのX-700は現状でNewしかないのですが、国内仕様(所謂無印)と通常使用(所謂New)の違いの見分け方はセルフタイマースイッチの脇。AEL/S.T.って書いてあったらNew、スイッチの正面にTIMERって書いてあったら無印です。ちなみに海外では最初からNew仕様が通常版X-700として売られていましたが、国内向けにだけなぜか回路の違う無印が売られていたのです。新のフレームに旧の銀外装の銀色部分だけを移植することは可能ですので、銀外装のNewX-700を強引に作る事は可能です。メーカー修理受けられなくなりますが。

○X-500について
 珍しいものといえば銀色のX-500という個体が存在します。私も1機持っていますが欧州方面へ輸出された専用機らしいです。ボディ外装が銀色な以外は国内仕様の黒X-500とまったく同じで、露出制御回路がSPCになってTTLオートが使えるようになったX-70ともいえます。eBayが一般的になる前は日本に戻ってくることはあまりなかったのですが、一般的になってから定期的に出戻り機体が増えているようです。日本での中古市場と違って相当乱雑に扱われた機体が流通していることが多く、私のものもスクリーンの洗浄を溶媒でやったような跡がある個体でした。
(C)H20/H25 Takayuki Kazahaya