Mamiya C330 Professional |
MamiyaC220を自己所有しマミヤ沼にどっぷりはまったころ、twitterで「C330要らない?」と言われて二つ返事で即答してお買い上げ。DS105mmF3.5がついて5000円でした。モルト張替以外特に整備の必要のない個体でした。 |
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マミヤが世に送り出した画期的なレンズ交換式二眼レフの集大成の中でもトップエンド機種。この後、C330S、C330fと変遷し、マミヤどころかヤシカマット124Gと共に日本の国産二眼レフの最後の花道を飾った機種です。C220のページでも説明していますが、いわゆるスタンダードな形の二眼レフの究極がローライだとすると、こちらはプロが仕事として使う道具としての究極にあたる二眼レフです。C330Sは平成6年まで製造されていました。 これまたC220の説明と被るのですが、マミヤCシリーズは「マミヤフレックスC」という機種からスタートしました。その後、C2、C3と改良を重ね、4世代目でフルスペックのC33と普及機のC22に分かれます。C330は5世代目のハイエンド機になります。Cシリーズ共通のレンズボードごとごっそり交換する交換レンズシステム、ラックアンドピニオンで豪快に繰り出す蛇腹式のフォーカシングレール、直線フィルム送りによる平面性確保、この点は初代からずっと変わっていません。また、実際に解体すると分かるのですが、コマ数カウンター機構は非常にオーソドックスな構造をしており、レンズ着脱のための機構も笑えるくらいシンプルに作られています。しかし、蛇腹が実は二重構造になっていてデカい蛇腹の内側にテイクレンズ用にさらに蛇腹があったりしますので、完全な重戦車と言えます。 #直線フィルム送りの二眼レフは国産機しか私は知りません。ローライは構造上、直線送りに出来ませんし。 C330シリーズはプロが撮影の道具として使うことを主前提にしているものの、色々な機能が詰め込まれており、正直なところ「お前はケーニヒスティーガーか!」というくらいの重戦車です。C220はティーガーIですね。C330は裏蓋交換、ファインダ―内に表示されるパララックス補正と露出補正、フォーカシングノブ部にも増設されたレリーズボタン、セルフコッキング(セコールC250oF6.3は未対応)と、120/220切り替え機能と、考えうる機能が片っ端から装備されています。 Cシリーズは共通して弱点らしい弱点が「重い」という以外特にはないのですが、実は残念なことに唯一巻上げ関係にトラブルを持つ個体が多いです。私が過去に触ったりした機体も含めてなんらしかジャムった経験のある個体ばかりで、トラブルなしで稼働しているのはこのC330だけです。また、めったにありませんが、蛇腹が死んでいる個体があるのは蛇腹カメラの宿命です。Cシリーズは全体を覆う蛇腹の内側にテイクレンズ用の蛇腹がもう1セット入っているので光線引きはしにくいですが、扱いが悪いと2つとも死んでしまうようです。私は蛇腹破損のCシリーズは扱ったことはありません。 |
ボディ左側面には@撮影距離表示、Aファインダー内表示のための焦点距離切り替え、Bレンズの着脱切り替えノブがあります。なお、Aの焦点距離切り替えは一番外の枠をクルクル回し、赤い表示を装着してるレンズの焦点距離の位置に合せます。すると蛇腹の伸びとファインダー内表情装置の連動が切り替わり、レンズに応じたパララックス補正と露出補正が同時に表示されるというスグレ物。Bの着脱切り替えは「LOCK」でレンズ固定、「UNLOCK」でレンズ解放でレリーズロックなのは、C220と同じです。 パララックス&露出補正は2枚目のように表示されます。ファインダー内に棒が出てきて、パララックスについては棒の位置までしか映りませんよ、というものです。また、この棒が露出補正表示も兼ねていて、ファインダースクリーンに刻まれた補正値分だけ露出補正してやりゃ適正露出になるというもの。意外と便利ですこれ。 ![]() ![]() |
ボディ右側にあるのは1.巻き上げハンドル、2.多重露光ON/.OFF切り替え、3.レリーズロック、4.コマ数カウンター。多重露光の切り替えはSINGLEにすると多重露光防止、MULTIにすると多重露光OKになる。 |
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120/220の切り替えについてはC220と同じで圧板を回転させる方法。 |
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