minolta Hi-Matic9 | |
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戦後、minolta35とミノルタフレックス・ミノルタコードの発売でそれなりに耐えた千代田光学でしたが、ミノルタメモの流れを汲むAシリーズや高級機Vシリーズを繰り出すも、全然売れずに会社が傾いちゃった時期がありました。そんなころに「誰でも簡単に撮れるカメラを」ということでUNIOMATが開発されました。その流れを汲んだ初期Hi-Matic(所謂デカマチック)シリーズの上位機種として生まれたのがこのHi-Matic9です。 以前の持ってたこの写真の個体は鏡胴グラグラのジャンクで手に入れたのを自家修復したものでしたが、その後無理が祟りシャッターの内部部品を破損してご臨終となりました。現在のボディはシャッター不動をタダ同然で手に入れてからコニミノ新木場で純正フルOHを受けた機体です。 ミノルタスカイやSR-T101の流れを汲む大柄なボディに開放F値1.7の明るいレンズが搭載されています。基本的にプログラムEEで使用するカメラですが、ファインダ内に表示されるEV情報を基にしたマニュアル露出、シャッター速度に対して自動で絞り決定をする絞り優先EEと、3種類の露出が使用できるカメラです。といっても私はプログラムEEかマニュアルしか使いませんけどね。ところでこいつといいHi-Matic7sといいCLC測光のロゴが入ってるんですが、どないみてもCdSは1つしかありません。1つしかないCdSでどないやって上下に分割測光しとんねんってツッコミは無粋なんですかね。 ○使い勝手のよい点 ・大柄で手の大きい人には握りやすく、低輝度で手ぶれしにくい ・明るく高倍率のファインダーでレーミングがしやすい ・自動パララックス補正対応のブライトフレーム ・フィルム装填が楽 ・アクセサリーシューがホットシューになっている ○使い勝手の悪い点 ・1kg近くあるクソ重い重量<重すぎ ・妙に長いレリーズストローク ・低輝度時は半押しで3秒待たないとまともにEEが効かない ・開放からいい描写するレンズなんだし1/1000sが欲しい ・虚像は明るくて分離はいいんだけど小さくてドピーカンだと二重像が見づらい よくあるセレン光電池式のEEカメラと違いCdSを利用したEEなので、ナニゲにポジでも充分対応できる露出の正確さを持っています。搭載されているROKKOR-PF45mmF1.7はロッコールの名に恥じない凄まじい描写をします。開放でふんわりソフト、F5.6まで絞るとしゃっきりシャープになります。同時期のMC55mmF1.7は低輝度だと萎え気味の描写になっちゃうんですが、この45mmF1.7は低輝度でも何のそのの描写をします。ただ逆にコーティングの問題なのか、逆光には弱いですし、専用フードなどのフードを使わないと結構ハレが出ちゃいます。専用フードは上手く見つけないと結構ええ値段しちゃいますが、私は偶然寄った店で「正体不明の広角用フード」という触れ込みで革ケース付き500円でGETしちゃいました。 |
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