XTZ750:クラッチの重さの対策
 XTZ750や4EP/3VD-TDM850のクラッチは結構重いことで有名です。私の個体もワイヤーやクラッチレバー、クラッチレバーホルダの交換と色々対策を練ったのですが、結局なんともならず。ちなみに1型DT200WR(3XP1)と3LDの91まで、2型以降のDT200WRと92以降のXTZ750やTDM850が、それぞれ同じプッシュレバーを使っています。3XP1もクラッチが重いと問題になったので2型3XP3でプッシュレバーが延長されたのでした。されても大して変わらなかったけど。

 そこで当時若造だった私は「もっとプッシュレバーが長ければテコの原理で軽くなるんでね?」と考えたわけです。クラッチの遊びやレバー比の変化なんて考えていませんでしたね。当時目をつけたのはTRX用のプッシュレバーでした。構造的に段付きでないとワイヤーの取り回しが出来なかったTRXですが、この段付き部分でなんとかならないかというわけです。
プッシュレバーはスナップリングプライヤーを使い外します。左がXTZ750のもの、右側が加工前のTRX850のものです。この時点ですでに、長さが違うのが見て取れます。だがしかし……、そのまま付けようとしたら形状の問題で、右側ヒューエルコックと干渉することが判明しました。そこで曲げ角を変えてやり、干渉しないようにして装着することになりました。元々10mmほど長い上に形状の変更も手伝ってトータルで15mmほどプッシュレバーの全長が伸びました。
これが取りつけた状態の写真。結局プッシュレバーのみならず、ワイヤーホルダーも変形加工することになりました。変形させてプッシュレバーとワイヤーが直線になるようにします。もし直線になってなければ、レバーを引くとゴリゴリという手応えが返ってくるはずです。

つけた感じはというと、3XP1と同じ程度の重さになり軽くなった反面レバーストロークが長くなりましたが、操作量的にはノーマルに毛が生えたくらいです。ミートは逆に、慣れればノーマルよりも取りやすいくらいです。普通の調整範囲内で充分クラッチが切れますし、それにミート位置を前後させる余裕もありますし、ワイヤーホルダーを切ったり曲げたりして改造する必要がある以外は、そんなに無茶な改造ではないと思います。
#4EPのワイヤを使ってごにょごにょして云々というのを思いついたのはXTZ750廃車から5年後の話
(C)1998/2000/2007 Takayuki Kazahaya