XTZ750:燃料ポンプの不具合 |
うちにきたころから燃料残量が少ないときの挙動が怪しかったスーパーテネレ。最近になってリザーブ以下になるとガス欠症状がとまらなくなり、まったく走れない状態が続いていました。燃費も相当落ちてましたし。で、当初は点火系トラブルを疑ったのですが、燃料の量に左右されるということで、結局燃料系のトラブルと判断、原因を探ることに。
まず最初はフィルターの劣化、コックの劣化を疑い、それぞれチェックしたんですが問題なし。念のため4万キロ走行の燃料フィルターは撤去しました。これでも症状が改善されないので、次にポンプ本体を疑ったのですが、多少の劣化はあったものの、新品に交換しても大して変化しません。で、それじゃぁ実際にポンプ動いてるの?ってことになり、とりあえず動作チェックしたんですが、これが動いてなかったんだよなあ・……ってことで、その原因です。 |
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スーパーテネレについてるポンプはいわゆる負圧式です。中身は3階建て構造になってまして、一番上が負圧駆動部、真中が吐出室、一番下が吸入室です。駆動部は薄膜で仕切られてまして、負圧がすったりはいたりすることで薄膜を駆動、その圧力差でガソリンを吸い上げるという構造です。
構造が単純なだけにそうそう壊れることはないのですが、電磁ポンプと違って負圧が引けなければ動かない、という大穴があります。今回チェックしたのは負圧周り。先に結果を言ってしまうと全然負圧がポンプにかかってませんでした。負圧が効いてるとエンジンの排気パルスに合わせて燃料が吐出側から飛び出すのですが、重力でダラダラと流れるだけで出てきません。要するに負圧が引けてないのです。スーパーテネレの燃料コックはキャブのフロート室より下にあるので、タンク内液面がフロート位置より下になると、ポンプがなければ燃料が届かないという事態になるのです。 |
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んじゃ負圧ってどこから引いてるの?って話になるんですが、エンジンのインテークマニホールドから引いています。タンク引っぺがさないとご対面できないのが痛いところ。作業時に25リットル残っててエライ目に遭いましたw。
写真は修正前の状態ですが、取り出し口のところでホースがばっきり曲がってます。この折れ曲がったところで負圧が止まってしまってたせいで負圧が引けず、結果としてポンプの駆動不良という形になって現れてました。
対策として1cmほど端をカット、曲がった部分を金属管の部分にくるように修正してテストすると、ちゃんとポンプに負圧がかかって燃料を圧送してくれるようになりました。あとは実走テストあるのみ、です。本来ならばちゃんとホース交換しないとダメなんですけどね。 |
(C)1998/2003 /2007 Takayuki Kazahaya |
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