XT225W SEROW 破損したシートの革の張り替え
 バイク屋の常連さんから急遽TT250R Raidの放出がありました。以前から欲しいと思っていた車体なので、買い手が付かないうちにと思い切って買ってしまいました。で、そこから悩んだのがセローの売却だったのですよ。シート破れてるしなぁ。とりあえず自分的に妥当と思う値段で流してみると、これまた仲間内から手が上がる上がる。さすがに4JGで10万って激安だったようでした。それはさておき、実はこの売却を前にして、シートの革は変えるつもりで発注をしていたのでした。納金などが遅れた結果、納品されたのが売却決定後だったので、事実上の納車整備となりました。で、実はこのシートの革の交換って、今回が初めてだったりするわけなので、記録画像を残してHTML化してみました。

○必要な道具と材料
 交換するシートの革、タッカー、20mm程度のタッカーの針、マイナスドライバー、ニッパー、ペンチ、カッターナイフ。あと、あると便利なのがスプレー糊と掃除機。

手順1:シートの取り外しと洗浄
 まず、シートを車体から下ろしてきます。この時点でシート裏に付いた泥はある程度落としておくべきなのですが、中のウレタンをぬらすとあとから非常に面倒なので、ブラシがけ程度にしておいてください。時間的に余裕がある人は水洗したのち、陰干しで数日干して、しっかりとウレタンを乾かしてください。掃除が終わったらシートベースから車体との取り付け金具とタンデムベルトを取り外します。



手順2:シートの革を外す
 ドライバーで起こしたりニッパーでつまんだりしつつ、シートの革を止めているタッカーの針を抜いていきます。全部抜けたら改めてシートのベースを掃除します。この時点で濡れていたら必ず一旦乾かしてください。

手順3:遮水シートの貼り付け
 今回入手した革には遮水シートが付属してありました。通常の純正品や社外品を用いたシート革の張替えでは付属しないものですが、まれにこうやって付いているものもあります。革とウレタンの間にこれがはいっていると、雨の日に散々濡れてもシートからしみるということが減りますので、純正のシート革や既製品を用いる場合でも、たとえばゴミ袋を広げるなどして追加しておくといいと思います。このとき、ウレタン側にスプレー糊を塗布すると、遮水シートをきれいに張ることが出来ます。



手順4:シート革の貼り付け
 シートの革をタッカーでベースに止めていきます。まず、一番シートの先端部分をとめます。ここでしっかりとシートの革のセンターを出しておきます。この時点でやっておかないと後の仕上がりを大きく左右するので注意しましょう。先端を2〜3箇所タッカーでとめると、次に画像に示すように、最後尾両サイド、中央部、タンクとフレームで角度が変わるあたりと、順にしっかりと貼りつつ左右のテンションが同じになるようにとめていきます。左右でバランスが崩れたと思ったら、そのときは片方のタッカーを抜いて打ち直すのも1つの手です。


 ある程度バランスよく全体的に固定できたところで、しっかりと革にテンションをかけながら、1cm程度の間隔をあけて、さらにタッカーで固定していきます。全体をぐるりと固定できたら最後に最後尾部分の余計な革を切りながら固定します。全部固定が終われば余計な革を切り落として行き、カット後に固定金具を取り付ければ完成です。


○雑感
やってみると無茶苦茶簡単でした。ようは初期の段階で手抜きしなければいいんです。最初のうちに面倒くさがって適当に固定してしまうと、最後の最後までその適当が尾を引いてしまい、きれいに貼れなくなります。最近はヤフオクでシートの革とタッカーが付いて5000円というオリジナルシートも販売されていますので、そういうのを利用するのもありです。そのお店のシートにはちゃんと遮水シートが付属しますよ。
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