SUZUKI EN125-2A 2008 China |
What's about EN125-2A |
まず初めに一言。EN125で検索を掛けてたどり着いた方々が多数おられると思いますが、このバイク、125ccで手軽で初めてのバイクに〜と思って手を出すと非常に痛い目に遭います。スズキのネームが付いていても所詮は中国生産の並行輸入車です。品質は国産からみると大幅にチープです。08モデルになってマシになったとはいえ細かいところの品質は結構粗悪で消耗品の入手にも苦労します。初めての1台にという方はドカなどの欧州車をはるかに上回る苦労を覚悟してください。ちなみに08年排ガス規制に引っかかったので私が手にしたのが当面入手可能な最終ロットとなります。
中国の大長江集団がGN125Eをベースに開発した125ccスポーツネイキッド車。実質的にGS125E小刀のマイナーチェンジ車というか正常進化車という感じです。ホンダMCR125やヤマハYBR125への対抗車種として世界戦略車的に位置づけられ、中国以外だと主にブラジルやメキシコ、インドネシアなどでも販売されています。
総評でいうと中国製だということがはっきり割り切れる人にはいいオモチャ、いいゲタになります。起動加速以外はほぼV125と同等の動力性能と燃費、基本的な消耗品は国内の同系エンジン他車種からハイエナできる融通性、大柄でしっかり作りこまれた車体による安定感など、中国製ながらスズキがしっかり管理している面が良く出ています。
ちなみにこれがバイク屋に届いたときの回りの反応は「なんでこんなのを」というのと、「オモチャにするにはちょうどよさそうや」というのの両方が入り混じっていました。過去に散々バイクをしゃぶり尽くしてきている猛者どもにはやはり、安価で楽しめる大人のオモチャに写るようです。
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管理人のEN125-2A(2008年11月時点での仕様) |

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主なスペック |
機種コード |
LP6PC |
全長/全幅/全高 |
1945/735/1070mm |
発動機種類 |
空冷4サイクル単気筒SOHC2バルブ |
排気量/径/行程 |
124cc/57×48.8mm |
最大出力 |
12.5ps/9,000rpm |
最大トルク |
1.0kg-m/8,600rpm |
タンク容量 |
14リットル(予備2リットル) |
主な変更点 |
ヘッドライトバルブH4R化(60/60W) |
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使用タイヤ |
前:ChengShin2.75-18 |
後:ChengShin90/90-18 |
追加装備 |
GIVI モノキーベースM2溶接装着
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設定変更 |
特記事項無し |
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インプレッション |
○ポジション等 |
大柄な車体でビジ車みたいなステップがついていますが、この手のシングルスポーツとしては普通の位置にステップがついています。どう転がしてもビジバイとしかいえないポジションのYBRとはこの辺が違います。ハンドル位置はどっちかというと170cm半ばの身長の人を想定しているようです。177cmの管理人は角度調整だけでOKですが背の低い人にはハンドル交換を考えたほうが無難かもしれません。シートは掘りが深く落ち込むタイプなので気に食わない人はシートを作り変えたほうが無難かもしれません。実は慣らしの段階ですでに気になっている部分はここだけだったりします。そのうち145cmにまたがらせてどんなポジションになるのか試してみないとだめだと思っていますが(笑
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○エンジン関連 |
DJEBEL125やSX125、DF125と同じ系列のエンジンですが、フルパワーの恩恵もあってか、全然毛色の違うエンジンに育っています。ジェベやDFだとコーナーでアクセルオンで回ろうとすると失速したりとかなり非力な印象を受けたものですが、さすがにフルパワーの恩恵か、その辺の陸橋やアンダーパスなら結構5速のまま抜けられたりします。峠も手前で勢いがついていれば結構5速のまま上がってしまいます。勾配がきつくなってくると3速4速を多用しないとダメなのは小排気量ゆえでしょう。
パワー感は5000rpmからがパワフルになっていきますが、4000rpmあたりでもじわじわと粘る実力を持っており、周山から八木へのR477の上りもトルクで5速4000rpmキープで登りつづけます。上はというと7000rpmも回るとおなか一杯です。そこから上は振動も騒音もすごくなりますしエンジンへの負担も大きくなります。5速7000rpmで大体80km出ています。普段の実用レベルで言うとこれで充分すぎる動力性能を発揮します。ただ80km巡航しようと思うと起動加速でかなり頑張らないとダメで、その起動加速時にバカスカ燃料を食らうせいで、ストップアンドゴーが多いと急激に燃費が悪化します。巡航中は平地だと5速7000rpm維持でも25%スロットル程度なので結構燃費が伸びます。小排気量だけにストップアンドゴーの影響が非常に大きい車体ですね。
燃費はというとツーリングでダラダラと等速運転すればリッター50km前後は狙えます。そこそこメリハリをつけたツーリングで45km弱くらい、通勤がメインだと状況次第でリッター35km〜40kmってところです。この辺は動力性能や価格帯も含めほぼアドレスV125と同じです。V125に負けるのは起動加速だけですね。 |
○足回り・ハンドリング |
フロントは無調整、リアはイニシャルだけ調整できます。速度域と使用方法に見合ったセッティングはされていると思います。それなりに攻めても早々破綻しない足回りをしています。ただ元々のセッティングが柔らかめ志向のせいもあって、左旋回ではスタンドが、右旋回ではブレーキペダルが地面と簡単にヒットします。アクセルオンでサスが縮んでいると顕著です。ただし、そこまでやっているとすでにタイヤは完全に端っこまで使い切っていて余裕はありません。要するにタイヤと車体の性能に見合った性能だってことです。
ブレーキはmixiのコミュなどにかかれていた情報とはちょい違うと思いました。パッドに当たりが出てきてからは、速度に見合った必要充分な制動性能とタッチ、コントロール性があります。キャリパとマスタは国産GS125Eより設計も新しくて性能はいいようです。その気になれば純正タイヤでフロントロックするほどの制動性能はあります。年数が経ったときのインナーキットの確保についてこれから考えないとダメですが。パッド自体はDT200WRやTT250R、DT230Lanzaと共通の形(ってかどうみてもキャリパの形がDT用なんですが)をしていますので、ヤマハ純正やデイトナの焼結パッドが流用できます。
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○電装その他 |
ここもYBRと違うところ。08年式からはバッテリーが中国製ですがGSユアサの中国工場製のものが付属してきます。YBR125はここに中国企業製を使用することでコストを抑えていますからね。電装部品のうち消耗品に近いような場所や、中国での規格品の部分は中国製が使われていますが、回路構成部品のような場所は日本製が混ざっています。この辺は品質の確保ってところですかね。
これまたmixiなどで暗いなんてたたかれていたヘッドライトですが、実際に夜間走行してみると充分に明るく、暗いという表現はまったく当てはまりません。かつての原付2種のライトを知っている人間にとってはサーチライトかと思える明るさです。マルチリフレクターの威力は大きいですね。ただし問題が1つ。ライトに使われているバルブが問題でして、中国での一般品のH4BSというタイプの口金の球がついています。んが、しかし!ライトの灯体自体はというと、H4R1というヨーロッパなどで主流の口金になっています。おかげでH4R1の灯体にH4BSを無理やり押し込むという無茶苦茶な仕様になっていまして、消耗品の確保という海外製バイクに付き物の頭の痛い問題が発生するわけです。だもんで、この辺の問題解決を目指すのであれば、タケガワなどから出ているH4を使う灯体に交換するのが吉です。
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○カスタム |
GIVIのモノキーベースM2を装着しています。といってもそのままでは普通に付かなかったので、スズキの後付けビッグキャリアキットの追加及び、純正キャリアへの一部パーツの溶接加工を経て固定してあります。
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(C)1998/2008 Takayuki Kazahaya |
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