Chiyoda Kogaku Minolta Autocord MXV | |
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いまやただの事務機屋になってしまったコニカミノルタ。実は日本の二眼レフの草創期を支えたメーカーでした。戦前に生まれた初代ミノルタフレックスは当時すでに赤窓式でフィルム走行距離カウント式のセミオートマットを搭載していました。戦後、IIb、IIIと進化していくミノルタフレックスはどんどん高級化していき、一方で板金リコーフレックスやYashica-Aシリーズなど、安くて良く映る二眼レフがどんどん生まれていた時期でした。 その高級路線とは別に、低価格で使いやすい機材をということでminoltacordが生まれます。レンズを旭光学から購入したPROMAR sIIIにし、セミオートマットも簡易な機構に、シャッターもシチズンLとして、MinoltaflexIIIの4万5千円に対して2万7千円に押さえ込みました。すると、高い操作性、良く映るレンズ、そして低価格でたちまち人気になりました。こいつがROKKOR搭載+B30バヨネット搭載+上から下に送るフィルム送給でAutomatになり、さらにシャッターがMXVに変わってここに、国産二眼レフの名機AutocordMXVが生まれます。 Autocordシリーズのなかでは最も玉数が見られる機種です。同時期に併売されていたMinoltaflexIIIよりも安い価格帯だったことも影響していると思われます。Autocordシリーズの最大の特徴はなんといっても上から下へ送るフィルム送りでしょう。フィルムの平面生を高めるためと銘打たれていますが、ぶっちゃけた話、Autocordがフィルム平面性で本当に有利だったって話は聞いたことがないんですけどね(笑)。MinoltaflexIIIと比較すると、フォーカシングの扱いやすさ、ホールド感、シャッターレリーズのしやすさはAutocordに軍配が上がります。しかし、ファインダは明るいものの、ピントの山の掴みやすさは圧倒的にMinoltaflexIIIに軍配が上がります。それ以外ではあまり大きな差はありません。 購入する際ですが、やはり定番ですが、レンズ曇りが結構あります。良く発生する場所は後群前面のシャッター側で、コーティングが真っ白ににごってしまっています。ヤフオクでヨゴレありという場合は大抵曇っているので注意しましょう。店頭購入の際は必ずバルブ開放にし、ペンライトなどでテイクレンズを入念にチェックするほうがいいでしょう。 |
作例写真 | |
モノクロ作例撮影中 | ![]() |
Fujifilm SuperG100(EI100) Av:F16 Tv:1/50s |
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(C)2010 Takayuki Kazahaya | |
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