Weekly Collumn 
  
VOL860:平成27年04月13日:酷い話もあったもんだ
○酷い記事もあったものだ
 週間アスキーの記事であまりにもお粗末で酷い記事を目にしました。Yahoo知恵遅れ……じゃなかった知恵袋と連動するという頭の悪さが炸裂しまくりの記事なんですが、D-SLRと銀塩機ではどっちが解像度云々というもの。その際の条件としてはD-SLRは内部画像処理の撮って出し、銀塩機はISO400のフジ・スペリアプレミアム400ということでした。しかしこの記事、どうも最初っからD-SLR高級機の勝利を前提として記事を書いているようで、フィルム情報の電子化がどの条件で行われたかの記載がまったくありません。最近叩き売られている激安フィルムスキャナで取り込むのと、私らが使う2500万画素クラスの中級フィルムスキャナを使う場合、CoolScan8000EDみたいな超ド級フィルムスキャナを使う場合、業務用ドラムスキャナを使う場合と、場合によって様々です。ISO400のカラーネガがいくら粒状性が荒いとはいえ、ちゃんViewScanの条件を追い込んで中級クラスのフィルムスキャナを使えば2500万画素クラスの画質は得られますし、ましてやベルビア50みたいな粒状性命のリバーサルを使えば驚きの線描写をします。比較をして論じたい場合にああいう実験をすると月例報告会などでボロカスに絞り上げられるのが研究開発でのフツーです。あまりにも杜撰な実験と結果な上にあれがチェックスルーで表に出てしまうってのが失笑モノにもほどがありました。
 
○酷い選挙活動もあったもんだ
 ここ暫く、週末に四条河原町や新京極へ出かけるとかならず見かける反政府デモ。観光客や市民など多くの人が「迷惑極まりない」として辟易しています。やってる側は自己陶酔の世界なので賛同を集めてると思ってるようですが大半の人が「やれるものならなぎ払いたい」と思っています。で、今回の統一地方選挙ですが、この反政府デモをやっている政党も各地で候補者を擁立しているわけです。が、今回の統一地方選挙は様相が違いまして、こいつらが反政府デモのノリと手法で、狂信的な選挙活動を繰り広げていて市民から冷笑を買いまくりなのが印象的でした。前半を女性が叫びそれに続く言葉を男性や他の参加者が叫ぶってやり方、あれ反政府デモ団体の定番手法なんですかね。しかも声の出し方や叫び方が選挙活動のそれではなくデモ活動のそれなので、どう好意的に聞いても「お願いする」という感じがありません。近年まれに見る酷い選挙活動だなぁって思った次第でした。まあ、あんなん見てると「お前らには絶対に入れへんぞ」とだけは思います。せっかく有権者にお願いするのに反感を生むようなことを一生懸命やってるって無駄だと気づかないものなのかなあ。
 
○MT-09 tracerの燃費の件
 乗り換えて以来、唯一にして最大の不満点が燃費の悪さです。未だリッター22qを超えない(実燃費)のが本当に腹立たしいやらなんやら。TDM900のときから確実にリッター25qくらいは叩き出してる走りをしてもリッター22q超えませんからねえ。しかももう1つ腹立たしいのが、これはまあ予想通りでもあるのですが、メーターに出る燃費と実走燃費に1割以上の乖離がある点ですね。でまあ、メーターの表示はともかくとして、実走燃費という点に関してはこの日曜日の月例ツーリングで大体つかめてきました。このバイク、きっちり回転数を走行速度に合わせて走らないと、すぐ燃料をバカ食いするんです。これは良くも悪くもMT-09シリーズのアイデンティティでもあるスロットル・レスポンスに起因するんですが、電子スロットルの感度とそれに対する応答性が恐ろしく高いおかげで、かなりビミョーなスロットル操作も全部「変化命令」として拾ってしまいます。わずかな変化でも変化として受け取るのでインジェクションへの噴射量命令に即座に反映されてしまうので、結果的に「巡航状態」を維持する時間が減ってしまうわけです。これたTDM900やMT-07だとバタフライを直接スロットルワイヤーで引っ張っていますので、インジェクションの噴射変化はもっと穏やかです。だもんで、ビミョーな変化が燃費に大きくかかわらないように、巡航自体でレスポンスのいい回転数を維持しておかなければならんってことです。少なくとも峠でパカパカ開けてるとバカ食いするのは確かですし、TDM900同様にゲタ扱いは今後はやめる方向で検討ちうです。
VOL859:平成27年04月06日:歯を抜かざるを得なかった話
○歯の話の続き
 ちょっと前に書いた歯の話ですが、結局抜歯になってしまいました。というのも、根の破損の防止も含めて根管にMTAセメントを詰めてファイバーコアを立てていたのですが、今の主治医の前の歯科医がやった治療が酷すぎて歯根が持たなくて真っ二つに割れてしまったからでした。そう、まるで”素晴らしきヒィツガラルド”の指パッチンを食らったがごとくの真っ二つです。歯根が割れた歯は相当無茶な自費治療をしないかぎり直せませんし、そこまでして直しても長持ちしませんから直す意義もないので、敢え無く抜くハメになりました。
 この歯の経緯はというと、高校生ごろだったか大学生になった直後だったかに酷い虫歯が判明(当時の歯の手入れは超ズボラ)し、治療にいったら抜髄になりました。この抜髄では実は顕微鏡無しの状態で歯根先端まで貫通する根管治療が行われており、それが証拠にその後30代半ばまで問題なく経緯しました。んが、5年ほど前に先端のう胞が判明したのですが、その際にいった歯科がダメでした。根管の清掃にエアツールの太いファイルを使ってゴリゴリやってしまい、おかげで本来の根管とは違うところに穴を1本開けていました。また、本来の根管はそのせいで感染したガッタパチャを取り除いていないので、トータルとしては歯を壊しただけの治療になりました。当然、また調子が悪くなるわけで、1年半後に今の主治医でありバイク仲間でもあるビアンコ先生のお世話になることに。その治療のときにも「割れる可能性が高いから割れたら抜かざるを得ない」という話は出ていました。
 
 今回、体調に応じて膿の塊が歯茎に現れるフィステルという症状が見えたのが直接の治療の理由ですが、2回目の治療の時点で体調が悪くなると歯も痛んでおり、また歯が痛むと体調が悪化していました。ですので、こいつが色々悪さをしていたのは確実じゃないかなーと思っています。今回の治療は事前にCTを撮ってもいたんですがCTには歯牙折損は映っておらず、歯根端のう胞切除の手術をしようとして歯茎をめくり歯槽骨を露出させた時点で歯牙折損が判明したパターンです。膿の出口も歯槽骨を貫いているのではなく膿の影響で後退した歯槽骨のフチからで、その歯槽骨の後退も割れた歯根に沿って発生しています。薄っぺらい膿の塊も割れ目に沿って出来ていました。今回の件でビアンコ先生はスマンと言っていますが本件での重罪人は2番目の歯科で私を担当した若い歯科医師です。国際標準の3回治療で全部済まそうとするからこうなるんです。人の歯を預かってるんだからもっと丁寧にきっちり仕事してもらいたいもんですねー。ちなみにビアンコ先生曰く、正しく治療されている抜髄歯牙は20年持てば上出来、通常は15年前後で割れるそうです。私の母のように30年以上持たせた人は珍しいとか。だもんで皆様、抜髄せずに済む様に歯牙の手入れはきっちりしましょう!私も還暦を迎えられそうにない歯があと2本あるんですよね(苦笑
 
 とりあえず抜いてから1週間が経過していますが体調はかなり大幅に改善されています。まず、数年前から常時感じていた弱い悪寒や倦怠感は消えていますし、定期的に繰り返す下痢も収まっています。そのおかげだと思うんですが、一度に食べられる量もまた若干減りつつありますねー。食べなくてもなんとかなるみたいな。週末から運動も再開しています。ぼちぼちと運動強度を上げていって歯が調子悪くなってから増えてしまった体重をもう一度そぎ落としていかないとダメだと痛感しています。
 
○新型YZF-R1/R1Mの販売店向け技術資料を読んだ話
 火曜日。月曜に上述の治療をしていたので、大事をとったのと年度明けで分析会社は死ぬほど暇でやることがなさ過ぎるのもあり、有給を取得していました。午前中に布団を干したり布団カバーをあらったり掃除したりし、午後から実家の借家のリフォーム計画の工務店立会いをやったあとに用事を済ませにtracerでお出かけ。ついでにバイク屋に寄ったらちょうど午前に販売店向け講習会があった新型YZF-R1/R1Mの技術説明試料があって読ませてもらいました。そして読めば読むほど目が点になっていくワテクシ……。
 
 まずセンサーと電子制御の塊なのには驚かされます。吸気負圧により可変するエアクリ容量はTDM900で開発された技術ですし、ABSシステムはXT1200Zで開発しMT-09で熟成した技術、トラクションコントロールもMT-09 tracerのモノが使われています。もちろん電子スロットルなのは言うまでもありません。また、電スロとトラコンとABSの制御は恐ろしく細かく設定できるようになっており、コーナリングからの立ち上がりでのテールスライド量とフロントアップ量が調整可能って時点でアレ過ぎます。また、R1Mだと前後サスもアクティブサスペンションに変わっており、R1、R1M共通で搭載されている6軸姿勢センサーの情報から挙動に合わせた割り込み制御を行って減衰力の最適化をリアルタイムで行うとあって、訳がわからなすぎて笑ってしまいました。しかもこのダイアグ、車輌本体のメーターから操作が可能なのは当然として、YZF-R1MはWiFi経由でスマホと連動してスマホ経由で調整できるというんですから、斜め上過ぎて開いた口が塞がりません。さらにこのメーターは斜め上機能が他にもあって、「サーキットモード」なるモードに切り替えるとラップショットとしても機能するそうで、速度の変わりにタイムが表示されるようになっていました。R1MじゃなくR1であったとしても、確かにこんだけ電子制御で介入しまくりだったらかなり無茶をしてもサーキットなら転倒しなさそうですね。
 
 電子制御が斜め上すぎて色々アレでしたが、車体の構造についても斜め上のオンパレードで爆笑モノでした。まずホイール。純正で前後マグ鍛(日本製)ですよ。うわさによるとアホほど軽いとか何とか。あと、シリンダー+アッパーケースとヘッドブロック以外のエンジンの構造体が片っ端からマグ製で笑ってしまいました。ヘッドカバー、ジェネレーターカバー、クラッチカバー、ロワケース、オイルパンが全部マグだったかな。クランクシャフトは鉄だけどコンロッドはチタンで、各種カバー類を止めるネジは全部アルミで9N以上締めるなとか、締める順番が指定されていて厳守だとか、これは普通の売るしか出来ないバイク屋には扱えないよなーという斜め上っぷりでした。で、これ国内販売はプレスト扱いだっけ?しかしこれで220万はやっすいなあ……。同じ値段で外車のカリカリチューン車で公道走行が危うい市販車を買うくらいなら、YZF-R1Mを買ってドノーマルで乗ってるほうが壊れず安全で速いのは間違いないですな。ホンダがMotoGPマシンの市販モデルを公道対応にして2000万だか3000万だかで売り出すとか言っていますが、そこまでではなくとも間違いなくタイマン張れる性能のマシンをたったの290万で売り出してきたヤマハの本気具合と斜め上具合が突き抜けていて笑えます。これを前にしたらアレはホンダ教の狂信者以外は買わんだろうなあ、1桁値段が違って性能に大差ないんだもん。
 
VOL858:平成27年03月30日:クソみたいなExcelの話
○クソみたいなExcelと仕事の話
 めったに言わない今の派遣先への超ピンポイントな愚痴。N部長は見てるはずなんだけどシラネwwww
 twitterで定期的にボロカスに叩かれているExcel方眼紙ですが、私は正直なところ、あれを叩く程度の能力でExcelが扱えるとか大口叩くなよアホちゃうか、と思っています。というのも、派遣稼業をしていると定期的に上司たる正社員から本当にゴミみたいなExcelが回ってきて「埋めてくれ」と丸投げされることが多いからです。
 で、今回回ってきたのは、時々私がtwitterでは呟いている「残念な女性正社員」と評してる社員からのExcelでした。複数日程にまたがって測定し解析したデータを彼女が作ったフォーマットに転記して欲しいという依頼だったのですが、Excelを開いた瞬間に頭がクラクラするほど酷い構造であきれ返りました。セル直接指定での参照が縦横無尽に飛び交う「これは作ってはいけません」というExcelの典型例でした。作った本人は分かっていると信じたいところなんですが、仕事として人に投げていいレベルのシロモノとは到底思えないんです。受託分析会社として最も気をつけなければいけない「データ処理中のデータミス」の原因の塊ですし。
 
 まず、ひとめで酷いなーと思ったのが、ぱっと見でどのデータがどこにどういう風に収まるべきかまったく分からなかったところです。枠線もコメントもなく、ただ解析ソフトから出てくるタブ切りのcsvをそのままペタペタ貼り付けただけなんですが、出てきてる文字列のフォーマットが下の表1.のような感じです。某解析ソフトでの波形分離の結果なんですが、見て分かるとおりたてに縦方向にずらずら並ぶフォーマットです。


試料名2
要素1 ピーク位置 ピーク面積
要素2 ピーク位置 ピーク面積
 
試料名2
要素1 ピーク位置 ピーク面積
要素2 ピーク位置 ピーク面積
 
 で、このフォーマットを下のようにしないとだめなんです。
 
試料名 要素1 要素2
試料名1要素1 ピーク面積 ピーク面積
要素2 ピーク面積 ピーク面積
 
 多くの正社員や私らのような派遣技術員はほぼ全員この作業に関して、「コピペした数値を手動で行列の再形成をする」もしくは「チェック用に紙出力した媒体から手入力で行列を入れ替えて再形成する」というひと手間を掛けています。が、このダメ女子正社員(以前から何度も愚痴ってる若い子)シート内にずらずらとこの数値結果だけをキャプションも最低限以下の状態で貼り付けた状態で、行列再形成先のシートの関数もかなり可笑しい状態のままちゃんとした説明もなくポンと渡し、私からの質問はほぼ受け付けずに仕事を丸投げしていきました。
 
 キレてても仕方がないので改めて作業前にシートの中身を解析するところから始めたわけですが、これが
 
 「再形成するための表に対して片っ端から手動で直接イコール指定しないとダメ」
 「同じ数値に対する参照先が死ぬほどあるので同じ参照先修正作業作業が複数発生する」
 「参考にしろと言われていたシートがキャプション不足で整理もされてないのでまったく当てにならない」
 「なぜか他のExcelファイルへの外部参照がデッドリンクで残ったまま」
 「波形分離の計算条件が結構むちゃくちゃで検体によっては分離する波形の数がまず違う」
 
 という有様で、作業を始めた瞬間に「あーこりゃ後で絶対本人も作業ミスするしチェックも難しいな」と感じました。この「乱雑に貼り付ける」「片っ端からイコールで参照していく」というのは、Excelで数値処理するときに「やってはいけません」という典型例なんですよ。ある程度もとの数値テーブルを作ったら関数で参照させたほうが安全でミスが減るんです。
 
 とりあえず私の仕事の範囲でミスを出すのも馬鹿馬鹿しいというのもあり、コピペで貼り付けられたオリジナルデータから行列再形成と化学量論計算に関するところは「同じシートを使いまわせばコピペで貼り付けたら30検体くらい大丈夫」なように改造。さらに、報告書などに使う形成済みの表へ再加工するところは先頭行で指定するファイルネームを元に行列再形成テーブルをVLOOKUP関数で参照して数値を拾うようにしておきました。そうやって改良しておいたにも関わらず、報告書の審査の段階で転記ミスとチェック漏れを発生させていて結構こっぴどく説教されていました。Excelではいかにミスを減らしつつ手抜きで仕事をするか、これに尽きるんですよね。
#外部参照のデッドリンクは当初放置していましたが、エラーが出るのは私のミスと斜め上の指摘でケチを付けられたので、上述の対応に
 
 まあ、正直なところあのレベルの子でも修士を新卒で出て採用されれば正社員になれて、派遣とくらべて給料が1.5〜2倍って時点でわれわれ派遣技術員からするとムカつくわけですよ。私らが怒られないような内容で説教されている20代半ばの正社員が弊社の中でゴロゴロしている割には、今より高い能力を求めるので派遣からの採用はうんたら、とか言う社内の話を外部から聞くにつれて、あの程度の正社員を採用している時点で能力的に高いってどこまでのモノを求めているんだよ、言いたくはなりますね。
 
 閑話休題。で、Excelの話に戻るのですが、twitterとかでよくExcel方眼紙を宗教的・原理主義的にボロカスに叩いている人たちがいますが、私に言わせれば書類様式で一太郎代わりにExcelで作ってある奴なんてかわいらしいものだと思っています。むしろ、それを単なる様式だと受け取って作業できずに「Excelはファイル内を外部参照できてナンボ!」とか拘ってる時点でアホちゃうかと思いますし、その程度のこだわりでキレられる程度の仕事なら楽だよなーと思います。なんせ上から降ってくるExcelが自分のメモとしても酷い有様の中身のモノを説明ほぼゼロで投げられるとか前代未聞ですし、例の残念な正社員を指導している先輩社員が「表計算ソフトに対する考え方が根本的に間違えている」と指摘するのも私も理解できます。表計算ソフトとして表計算の使い方の考え方が根本的におかしいファイルから比べたら、一太郎代わりに使ってるExcelなんてかわいらしいものだと思いますし、その程度をどうにもできないレベルのスキルでExcel得意!なんていわないで欲しいなーと思ったり思わなかったり。大体、方眼紙状態になってるExcelからセルを読み取って普通に作ったExcelへ移し変えるなんて、関数とマクロを理解できていれば元ファイルの取り込みからのマクロ出力で一撃必殺ですし。
 
VOL857:平成27年03月23日:ネコキチへの鉄槌の条例
○体調不良の本丸はこれ??
 数年前、抜髄済みの上顎右4番が噛みこむと痛いので再治療になり、家の近所で腕が良いと評判の歯科で再治療しました。そしたらエアツールで掘りなおすわりには歯茎にファイル(根管を削る微細なヤスリ)が刺さった感覚が一切なく終了。ファイルの先端が歯肉に刺さる感覚は麻酔があってもなんとなく分かりますからね。腑に落ちないまま何年か経ったころにやっぱり再発したのですが、そのころはバイク仲間のビアンコモデナ先生が開業した歯科医院に通っていたこともあり相談したところ「すぐに来てください」と言われて見せたところ歯根のう胞が出来ていて、当然のごとく再々治療。そしたらですねー……色々と酷い話が見つかったんですよね。
 この歯の根のうちの1本が先端で屈曲しているのもあったのですが、顕微鏡を使うこともなく最初の2医院は治療しているので根管の途中までしかほじくっていませんでした。そのため、先端に残っていた歯髄が腐敗し感染が再発して歯槽骨まで侵食されていました。また、2番目に治療した「ご近所で評判の歯科」ですが、よく確認もせずエアツールのいかついファイルで無理やり削ってしまったおかげで「本来あるはずのない根管」を生み出してしまい、しかもそこにガッタパチャというゴムがちゃんと詰まっていなかったのでそこも感染原因に。最初の先生は20年以上前の治療で手探りでやったので仕方がないですが、2番目の先生は最近の治療だってのに無茶をしまくった挙句にちゃんと直さなかったので再発したという、悪い例の見本市みたいなものでした。で、ビアンコ先生は3ヶ月近くかけて顕微鏡を使って歯内治療を完了してくれました。それが3年位前なんですが、よくよく考えたら体調不良を繰り返すようになったのもちょうどその3回目の治療開始ちょっと前のころでした。今回、フィステルという膿の出口が上顎右4番の歯根付近に出来たので歯の外にも問題が残っててどうしようもなかったというのが判明したわけです。調べていると歯槽骨の感染って風邪のような全身症状や副鼻腔炎の悪化なども伴うようです。今回は歯槽骨にφ3〜4mmの穴を開けて膿胞の撤去と感染源と感染源になりうる歯根先端の撤去をすることになりました。これで好転してくれるといいんですがねえ。
#ちなみに持ってる菌はどうやらクラビットやジェニナックの系統(ニューキノロン系)の抗生物質に耐性を得ている可能性が非常に高いという厄介具合……
#でもDNA複製を阻害する抗生物質に対してどうやって耐性を得ているんだろうか


○猫キチガイへ法の鉄槌を
「野良猫にエサ→罰金も! 賛否の議論渦巻く条例案 京都」:イザ!
 イザ!というか産経新聞の記事からです。
 以前から私が主張しているのと大体同じ内容が京都市の条例に盛り込まれた件で、愛猫家を自称する無責任な餌付け猫キチガイがファビョってるという内容です。京都市の条例は無責任な餌付けや放し飼いによって、糞尿被害や家屋内侵入、腐敗したエサの放置など、衛生面に大きな問題が出ているので是正しましょうという内容です。餌付けや放し飼い上等の人たちの主張の多くが「猫がかわいそう」「餓死する」というようなツッコミどころ満点の内容です。
 まず、前者は飼育するのは嫌だけどエサはやりたいという無責任極まりない人の主張で、ちゃんと室内飼育で猫を飼育している本物の愛猫家からすれば噴飯モノの主張です。なんせこういう主張をする人たちは「生物は食ったら排泄する」ことを考えていませんし、猫の体の構造上の問題で10歳を超えると腎臓病は避けられませんので医療費も発生します。餌付けできないと猫がかわいそうという発想しかない人は猫が生き物であるという本質を1ミリも理解していません。近所でも放し飼いの猫が結構多く、母が頻繁に花壇の手入れをしているころは作物に適したフカフカの畑土が気に入ったようで、複数の猫が頻繁に手入れ直後の花壇を穿り回しては糞尿を垂れ流していました。あまりに被害が酷くて体の悪い母はある時期を境に花壇の手入れをしなくなりました。曰く、「やるだけやっても無責任な放し飼い猫が荒らすから無駄」「猫のトイレの掃除をするために手入れをしているのではない」。私もそれを知っているので放し飼いの猫と餌付けは心のそこから許すことが出来ません。
 
 次に後者はもっと噴飯モノですが、野良なので強いものや賢いモノは生き残り、アホな奴や弱い奴はえさにありつけずに死んでいくのは普通で、自然の摂理です。ただ「可愛そう」という自分の自尊心を満たすためだけに安易にエサを与え、猫が自分でエサを見つけ、捕まえる努力をしないように仕向けるというのは、本当に猫が好きなのかどうか疑わしい限りです。本当にかわいそうだと思うのであれば自分で飼えばいいのに飼育するのは嫌なんですよ、こういう人たちは。前者より後者のほうがさらに無責任極まりなく重罪だと思います。大体、餌付けしなければ餓死するというのは人間の思い上がりでしかなく、人から餌がもらえないとなればあの手この手で猫は自分で狩をします。犬とは違うのはそこですが、餌付けの理由に餓死を挙げる間抜けはそこを理解していません。だから「自称」と付けられて本物の猫好きからも嫌われるわけです。
 
 これらの極悪人どもに対し現在ある法令は無力した。現行法では犬は咬傷の危険性があるという「物理的危害」のみを理由にして飼育方法に関する罰則や施行細則が盛り込まれてきましたが、猫は「人に危害を加えることはない」とされており、法令による制限はイエネコに関しては完全に放置されてきています。放し飼いされる動物による衛生面の問題は「動物による傷害」にはあたらない、というのが現行法の見解です。また、現在有効な法令と同じ目的の条例で法令より厳しい制限を貸すのはかなり相応の理由がないと総務省にケチを付けられるのですが、今回の京都市の条例はその辺もきっちり回避できるように違う内容を目的とした条例をもってきました。日本人の歪んだ動物愛護精神(ユリカモメなどへの餌付けも含めた)に一石を投じる、また古都らしくきっちりを襟を正した条例だと思います。条例案は「餌付けした餌の食べ残しはちゃんと撤去すればOK」といったような運用になるみたいなので餌付けを完全に禁止しているわけではないですし、例えば主として繁殖を目的とすることが多い犬の多頭飼育も今回の条例で届出制になりますので、繁殖飼育という極めて虐待性の高い飼育に行政のブレーキをかけることもできます。この条例が日本各地の猫キチガイどもへ行政として毅然とした態度で臨むスタート地点となって欲しいものです。
 
○TT250R Raidのマフラーをノーマルに戻した
 バイク仲間のO君から以前、ウチのTT-RについてるRSV type3が欲しいという話をされており、軽くて上は回るけど中低速の扱いがTT-Rらしくないので気に食わない上に音量が大きめなのを気にしていたところもあり、「じゃあ、綺麗なノーマルマフラーと物々交換で」という話がまとまったのが2月初旬。そして2月下旬のある日にO君からO君の家の近所のKuma君経由で「マフラー手に入ったよ」と連絡がありました。そこでギリギリの予定すり合わせ(3時間くらいしかKuma君の時間が取れない)状況下で奈良へいって交換してきました。重量的には1.5倍以上になりましたが、中低速の取り扱いが大幅に向上したのは満足です。ただ、音量的にはあまり大きな変化がないというか、ヌケヌケのRSVと比べてノーマルの排圧が結構高いので、排気パルスがナンバープレートに当たる騒音が結構大きく聞こえます。排気音自体はざっくり下がった感じです。いやー、やっぱノーマルマフラーってほんとよく出来ています。重量が重いのが難点ですがねえ。規制前のノーマルなんでヌケも結構いいですし、これでさらに取り扱いが楽なバイクになりました。MT-09 tracerにETCを移植しちゃったのであれですが、こっちにもETCがあれば本当にロングツーリングをこなせる車体に仕上がってきました。
VOL856:平成27年03月16日:武蔵が見つかったらしい
○オイル交換をしたわけだが
 先週既報の通り500kmを越えたのでオイル交換をしました。私の慣らしの基本方針は500kmまでは満遍なくギアを使いつつレッドゾーンの1/3までの回転数、スロットル開度も1/3まで。500kmを超えるとオイルとフィルタを交換し、次の500kmは徐々に回転数とスロットル開度のリミット値を増やし、最後の100km程度の間に何度かフル加速を試すというものです。以後は3000の倍数毎にオイル高官、6000の倍数毎にフィルタも交換です。今回オイル交換をして一番驚いたのはオイル容量です。TDM900は80年代半ば設計のXTZ750用GENESISエンジンが発端ですのでドライサンプでエンジン冷却もかなりオイルに頼ってる面があり、なんと4.2Lも食い散らかしました。それでもオイルタンクがシート下で完全にカウルとフレームに覆われていたXTZ750は水温より先にオイルが熱ダレする酷い有様で、容量が容量だけに高いオイルも入れられないジレンマがありました。今回、MT-09 tracerの場合、オイルだけなら2.4L、フィルタ交換込みで2.7Lでして、TDMシリーズだとMOTUL5100を交換するだけの費用より、MT-09でMOTUL7100を交換してフィルタも変える費用のほうが安いという状況です。1000円くらい安いですね。
#4EP-TDM850は3LD-XTZ750での経験からオイルタンクにチップセット用の大型ヒートシンクを複数貼り付けて放熱させていました。
#ただMOTUL7100とMT-09のクラッチの相性が結構微妙みたいでEFFEROプレミアムだと発生しなかったクラッチ鳴きが発生するように……

○今年の東山花灯路は
 えーと、超不作だと思います。まだ現像に出してないのでアレですが、たぶんかなり不作。というのも、何年も撮ってて変化が全然ないので年々やる気が縮小しているんですが、以前に撮って気に食わなかったカットとか、機材を変えたことによる描写変化が見たいカットだけを狙って撮りに行っており、うち1カットは天候条件の問題でまったくダメでした。そんなわけなので結構不作です。また、これは特にここ2年ほどで非常に気になったことですが、撮り鉄のことを文句が言えないくらい撮影マナーがクソ悪いです。デジタル撮影機器が進化し普及すればするほどマナーがむちゃくちゃ悪くなっています。特にここ2年ほどは回りを確認せず人の前に割り込んで三脚を立ててネチネチネチネチ撮影をするカメラマンが急増しています。D-SLRなんで背面を見て気に食わなければ何度でも撮りなおしますので、銀塩時代に比べると割り込んでから撮り終わるまでの所要時間が数倍になっています。で、1名がネチネチやり始めると他のシロートもネチネチやり始めるので悪循環。しかも今年はクラブツーリズムの撮影ツアーが開催されており、定番すぎるほど定番のスポットはツアコンが案内してくるので撮れた物じゃありません。もう東山花灯路は撮影を楽しむイベントじゃなくなった感じがありますね。現地の警備スタッフや古参撮影者との会話でも「雨上がり直後or翌日でないと無理」という話に。たぶん、次回はどっちももう撮りに行かないでしょうねえ。私の中では「終わった」イベントになりました。
 
○武蔵発見!
 シブヤン海に沈んでいた戦艦武蔵をアメリカの超お金持ちが探索して発見したという報告が舞い込んできました。で、先日その海中映像の生中継があったそうですが、放映前にスタッフ一同が武蔵のクルーへ黙祷をささげていたりと、戦没者に対するリスペクトの素晴らしさにまず感動した次第。私は仕事中だったしニコ生もタイムシフトもしてなかったのであれですが、今までは不明だった色々な構造が今回明らかになったようで、モデラーやプラモデルメーカー関係者の雄叫びのごとき悲鳴が各所から聞こえていたのはなんというか……。艦橋構造だと戦闘指揮所の下が部屋になっていたようだとか、大和にはなかった装甲付機関銃砲座がいたるところについていたとか、などなど。また、モデラーたちもすでに大和や武蔵の模型作成で反映させてたりと、いい反応のようでした。今後、発見者は武蔵については日本政府に処遇を委ねたいとしているようですが、フィリピン政府がなにやらケチつけているそうで、どうなるやら。たぶん、中国の違法操業屑鉄業者に無残な引き上げをされた羽黒とかの過去もあるのでそういう対応なんでしょうが、さてはて。
VOL855:平成27年03月09日:tracerの第1次慣らし終了
○アレが良くなるとコレが気になるビョーキ
 いやね、オートバイのシートの話ですよ(笑
 MT-09 tracerがやってきてちまちまと乗っていますが、これのシートが結構良く出来ているのもあって、今まであまり大きな不満のなかったTT250R Raidのシートがやっぱり不満になってきました。不満点は2つで、ストレート・クーガー風にいう「硬さが足りない!」「高さが足りない!」ですね。まず硬さですが、幅広のシートでちゃんと3点荷重が出来ている場合、やや固めのシートのほうが柔らかいシートより意外と長距離は楽です。どかっと沈み込むシートは意外と腰に負担をかけやすいんです。TDM900との比較だと意外と気にならなかったのですが、tracer相手だと気になり始めました。次に高さですが、これはDT200WRを所有していた時期にも何度か日記のネタにしていますが、膝の開きの角度は100〜110度くらいが一番ステップ荷重をかけやすく、バイクのコントロールもやりやすくなります。また、これくらい膝が開いてるとステップ、シート、ハンドルの3点に体重を分散して掛けやすくなりますので、これまた体が楽になりますよっていう所以です。個人的には足が届かないからアンコ抜きなんて考えられません。160kgも重量がないレイドだと片足つま先着けば十分なんで、シート高なんてあと5cmは高くても余裕ですから、アンコの入れ替え+ハイシート化はちょっとやりたい課題の1つになりました。問題は自分で硬質ウレタンを切って加工するか、はたまたノグチやカールズバッドに出すか、なんですよねえ。
 
○第1次慣らし終了
 MT-09 tarcerのODOが500kmを超えたので第1次慣らしがおわりました。TDM900のときは最初の400kmを一気に高速で稼いだのでミッションの慣らしが結構ビミョーでしたが、今回はほぼ一般道オンリーで峠も多く、エンジン特性の関係で市街地では5速で走ることも多かったので、結構満遍なく慣らしが出来たと思います。寒冷時期にそういう条件で走ってるので燃費については察してください、ですが。
 実は日曜はいきなり雨でした。個人的には雨の中をあまり走らせたくはないのですがバイク屋のマスツーだとあれば仕方がありませんでした。一方でウェット路面での挙動を知るということが出来た反面もありました。無印MT-09もそうなんですが、車体そのものの性能の関係なのかやたらとグリップがよく、車体の限界が結構高いのが特徴です。荒れた路面やウェットな路面でも結構食いついていきます。今回のツーリングでもヘビーウェットやウェット路面が大半を占めていたわけですが、そこそこハイペースで走っており、ダンロップD222というウェット性能があまり信用できないタイヤなのにTDM900+パイロットロード3並にグリップ感があって驚きました。私は事前にドライ路面での車体限界を色々試していたのですが、一緒に新車を下ろしたクラブメンバーはグリップが良すぎてどこが限界か分からなくて怖いと言っていましたが、それほど限界が高い感じです。トラクションコントロールはこんな状況でも動作していませんでした。能勢に入り込んでから以降はずっと気温5度以下の中を走り続けた燃費は21km/LでTDM900とあまり変わらないくらいです。吸気温度が上がれば一気に瞬間燃費計の数値が劇的に良くなりましたので、低燃費走行という点では色々考える必要もありあそうです。ちなみに同じ状況で無印はリッター24km前後をたたき出していましたし、当日気温の高いエリアを巡航していた人たちはtracerでも24km前後たたき出していますので、気温状況+車重20kg追加+ライダーの重量だと思います。
 
○自転車事故と行政の間違い
 本稿へ混ぜる予定が文字量が膨大になったのでmixi行きにしたネタの関連です。
 元々は兵庫県が自転車への赤切符を積極的に切り始めたという読売新聞の記事について書いていたネタなんですが、そこの結論でも私は「そもそも日本人の慣習も背景として行政が”弱者保護”の名目で歩行者や自転車の責任をほとんど問わず、自己の責任を一方的に自動車や二輪車だけを問うて断罪してきたことが諸悪の根源だ」と指弾しました。で、指弾した矢先にそういう行政の立場がモロに明確になる事件が発生していて失笑モノでした。

 起きた事故というのは、神奈川県で自転車で走行中の自転車が橋梁上で撮影した老婦人が左右後方の確認を一切せずに後退したことにより接触し転倒、その結果、後続の大型車に轢かれて死亡するという事故です(記事リンク先)。この事故で神奈川県警は大型車の運転手だけを逮捕しており、歩行者の処遇については何一つ報道がありません(どうも道路交通法違反に問われていないらしい)。これに対し、直近のアメリカでの事故で134cmしか身長がない俳優が車に轢かれて死亡する事故が起きていますが、一部報道において「俳優の無謀横断が原因で横断方法がアメリカの法律に違反するものだったので運転者は刑事・民事ともにその責を負うことはない。」という言及がなされていました。こういう対応の差が日本が「交通行政未開国」だの「未だに奉行所の御白洲のノリで判断する交通行政」とバカにされる所以です。しかしニュース報道は「事故の原因を作り出した老婦人の存在」を一切報道しないところが酷すぎるにも程がありますね。
 
 日本は何かにつけてすぐ自己責任論を振りかざす割には立場に強弱が(日本ローカルルールで)発生する事象に対しては、ことさら強者にのみ全責任を押し付けてしまおうとし、弱者は自己責任を果たす必要を問われません。だから「最強の弱者」があらゆる分野で生まれるわけです。交通行政の場合ですが、日本でも責任の有無を警察の交通課が決定するのではなく、中立の立場から交通事故の内容を精査できる「交通事故鑑定人制度」を発足させ、鑑定人の鑑定結果に基づいた事故状況の検分と明確な責任配分を取る必要があると思います。自転車は交通弱者なんて未だに教えている学校や親が存在する現状、「私は弱者!」となると徹底的に自分勝手な行動を取るのが日本人の本質ですから、「まず交通事故に弱者強者の関係は存在しない」を明文化しないかぎり、歩行者や自転車が原因となる死亡事故は増えることはあっても減ることはないでしょうね。また、損保会社の計算についても判例・実績至上主義は返上し、国家資格としての交通事故鑑定人制度のもとに弱者優遇を廃止した上で厳密に責任割合を算定すべきでしょう。歩行者だから2割免除なんてやってるから歩行者が自分の歩行に責任を負わないわけで。
VOL854:平成27年03月02日:皇紀の正当性?んなもんねぇよ
○皇紀の正当性を信じてる奴なんて……
 たぶん、世間の中では右寄りといわれ、ネット上ではネトウヨと言われかねない立ち位置の私ですが、表題の件を結論から言わせて貰うと、根拠のないファンタジーは御伽噺だけで十分だ、です。で、多くの保守派は皇紀の論理背景とかも知った上で笑い飛ばしています。だってBC660年という結論に至った理論があまりにも中二病すぎて笑ってしまうんですから。
 
 結論を先に出しましたが、これについてはいろいろ根拠があります。まず、史料に書かれている記載事実について述べると、神日本磐余彦尊が死ぬ思いで熊野から大和入りし、ナガスネ彦の娘を娶って橿原宮で天皇として即位したことについて、「辛酉年春正月庚辰朔 天皇即帝位於橿原宮是歳爲天皇元年」と書かれています。このうち、正月朔は旧暦の1月1日という意味です。問題は辛酉年ですが、これは十干と十二支を組み合わせたいわゆる「干支」で、60年で1周します。じゃあなんで紀元前660年なんていうばかげた話が出てきたのかというと、諸悪の根源は江戸時代の国学者たちにありました。
 
 中国の古い易学みたいなのに干支の1周を1元、21元を1蔀とし、1蔀ごとにエポックメイキングな革命が起きるとする考え方があり、これを辛酉革命といいます。また、間の悪い(?)ことに、西暦601年の辛酉年に「明確に実在していたと判断される初の女性天皇」である推古帝が即位しています。しかしこの易学、隋の時代に煬帝にオカルト過ぎて信用ならないと関連書籍の発禁を命じたような怪しげなものでして、そんな書物を根拠としているのでお笑い過ぎます。普通に考えると合理性に欠ける論理なんですが、江戸時代の本居宣長ら国学者は「推古帝の即位の21元(1260年)前のエポックメイキングな年に神武帝が即位したというのは合理性がある」と考えたようで、そのままBC660年を神武天皇起源とする考え方がまかり通ってしまいました。そしてその考え方は国家神道の名の下に天皇の神格化を謀りたい明治政府に都合がよく、皇紀元年=BC660年なんて馬鹿馬鹿しい話になりました(でもこれを本気で国威発揚に使ったのは大東亜戦争推進派のアホ将校どもですが)。ちなみにBC660年の旧暦1月1日は西暦の2月11日なので、それが建国記念日の根拠になっています。こういう背景がありますので、2/11の意味はともかく神武帝即位がBC660年って絶対ありえねぇ!というのは、右派でも常識なのです。個人的には建国記念日も旧暦1月1日として休日にしたら論争の火種にもならず、新旧両方の正月を祝うことも出来て、一挙両得だと私は思うんですがね。
#5世紀ごろ成立した南朝の宋の歴史書「宋史」の中には「彦瀲第四子號神武天皇 自築紫宮入居大和州橿原宮 即位元年甲寅 當周僖王時也」とあり、この記述どおりだとしたらBC666年即位らしい
#宋史が怪しいとされる理由は他の歴史書とも同時並行で編纂されていた関係で史料の精査や裏づけなく雑多に引用していて他の歴史書と不整合があまりに多いからだったり

 
 じゃあ本当の建国年はいつなのかという話ですが、推定の域は出ませんが私はAD301年が妥当だと考えています。大前提として辛酉年という記述がtrueであるという必要性はあります。そして、古事記・日本書紀の卑弥呼と天照大神が同一人物だという前提も必要で、そういう背景の下に考えると神武帝の即位は卑弥呼=天照大神の死後である必要性があります。また、その後の存在が確かで西暦での生没年の比定が出来ている歴史上の人物の存在、中国の史書の記述との整合性などを考慮すると、西暦301年1月27日に即位したというのが正しいと考えられます。な卑弥呼の没年については3年くらいの幅はありますが、魏志など複数の中国の歴史書に西暦が分かる記述で死亡事実が記載されており、後漢時代の年号の記述と西暦の比較も「中数年挟んで北九州で観測された2回の皆既日食の発生年」という、天文学の計算で導き出せる確かな数字でも裏づけが取れています。卑弥呼の没年より後、その後の歴史書の記述で不整合が起きない、そういう辛酉年って西暦301年というわけです。
#1回目の皆既日食がいわゆる「天岩戸隠れの故事」であり、2回目の皆既日食の年に卑弥呼が死亡したと考えられています。
#スサノオやほかの天津神として祀られている古代の人物についてもおおよその生没年の推定が行われていてほぼ3世紀の方々です。


○MT-09 tracerあれこれ
 とりあえず導入顛末記を作ろうとしたけど駄文過ぎるし面白くないので中止。
 2週間ほど経過して、週末が雨ばっかりで大して乗れてはいないのですが、現状でいくつかカスタムをしようと考えている点があります。2つは納車前から俎上に上がっている案件で、1つはハンドル幅の対応、1つはクラウザーK2パニアの増設です。また、乗り始めてから問題になったのはハンドルの取り付け角度、納車されてから作戦を思いついたのがUSB電源増設と純正DCアウトレットの移設です。パニアについては目処が経っているので事後に別項を立てます。
 まずハンドルについてですが、ハンドルの角度については当面は様子見することにしました。というのも、ハンドリングの変な粘りと扱いづらさの原因が根本的な確認不足(タイヤ空気圧の調整不足)というオチだったのもあり、当面はスタンダードの角度で乗り続ける予定。あまりに広すぎる総幅については、実はライディング中の握り位置としては大した問題にはなっておらず、すり抜けの際に邪魔だというだけだったりします。また、ウェイトについてはブラッシュガードのABS樹脂内に包埋されているようなんですが、ガードが刺さっているM8アダプタ自身がヤマハ標準のM16×2.0のネジが切られたバーエンドになっているので、バーエンドだけを他車種のや社外品に交換することで対応できそうです。右側はともかく左側が結構深くバーエンド内に入ってるのでこの辺が問題かなあ。
 次にDCアウトレット関連ですが、EU仕様だとメーターの左右に1つずつつくDCアウトレットが日本仕様は左側だけです。北米仕様のようにDCアウトレットがオプションでメーター脇のブラケット自体がないのかと思っていたら、ちゃんとメーター右側にもアウトレットがありました。で、DCアウトレットで使いたいのはUSB電源がメインなので、オリジナルのアウトレットを右側に移し、左側のアウトレットはTT-Rにも付けてるキタコの奴に入れ替えようと思っています。ので、この辺も部品の互換性や配線情報も含めて全て目処が立っているので、部品を仕入れ次第、実際に加工して別項を立てて説明します。
 
○L.L.BeanのUSサイズとJ-Fit
 普段着などは「体に合うサイズがあるから」というのと、「流行を追う必要がないから」という2つの理由でL.L.Beanの服を愛用しています。この手のアメリカン・アウトドアカジュアルって40年も50年も姿が大きく変わっていませんからね〜。チェックのシャツはヲタクの特徴だうんたらといわれようが知ったこっちゃないです。で、L.L.Beanというとここ2〜3年はJapanFitという日本向けサイズを出してきているのですが、これが結構ダメ。USサイズだとLでまだ余裕があるんですが、J-FitだとXLでも胸周りと肩幅がパツパツになり、3Lだとちゃんと入るけど着丈以外はちょっと大きめになります。特に去年の秋以降のモデルが酷いですね。で、先日1000円引きクーポンが期限切れ間近なのと冬物バーゲンというので追加の長袖シャツを買いに行ったのですが、そこでも店員さんとの会話で「L.L.Beanの愛用者にガタイのいい人が一定数いる関係上、J-Fitしか入れてない服についてはやはりサイズのクレームは多い」「J-Fitは日本人の顧客の中でも特に大きい声のをあげる人の意見を中心に反映させているのでUS-Fitと違って年々細身に変化している」というのが出ました。デスヨネー。昨秋に買ったフランネルはJ-FitのXLは実際、「キレたケンシロウ」ごっこが出来そうなほどに胸がパッツンでしたので、思わず本国サイズの同じ色のLを引っ張ったくらいですし。とりあえず気になったシャツがあればJ-FitとUSサイズがあれば、通販ででもUSサイズを買うしかないかなって思いました。
VOL853:平成27年02月23日:新造戦艦MT-09 tracer就役
○琵琶湖の環境とバス釣り
 月曜日の仕事帰り。電車に乗ろうとするとバス竿を持った若者が結構な人数乗車していました。海釣りとかの竿と違ってバス竿ってむき出しで長いまま持ち込むのでその時点で悪印象なんですが、真っ先に気になったのは「こいつらまさか釣った魚をリリースしたんじゃねぇんだろうな?」ということでした。というのも、滋賀県では元々条例で釣った特定外来生物(バスやギル)を琵琶湖にリリースすることは条例で罰則付きで禁止されていますし、特定外来生物関係の法律でもリリースはアウト。かといって電車で移動してるような奴らが外来魚ボックスにまで釣った魚を持ち歩くわけもなく、持ち歩くにしても魚を入れる容器を持っている気配もなかったので、そう疑ったわけです。基本的にバス釣りの人って安易に他の水系や池をバスで汚染するので悪印象しかないのも手伝って、そういう疑いの目を向けてしまいます。さてはて、この琵琶湖の外来魚駆除作戦ですが、ある意味でズッコケつつあります。実は特にオオクチバスの駆除を進めすぎた結果、今までオオクチバスが捕食していたアメリカザリガニが天敵が減ったおかげで激増しつつあるそうで、別の問題に繋がっているそうです。これを理由にして滋賀県の琵琶湖政策を全面的に叩きまくっているバッサーがいるんですが、まあなんというか彼らの論理がハナから破綻してるのは別の話として、実際に最大の捕食者であったバスやギルの駆除が急速に進んだ結果がもたらしたものというのは事実でしょう。ただこいつら、バスやギルほどの捕食能力はありませんので、地道にかご網で乱獲(ぉ)しまくって駆除するのが一番よさそうでもあります。
 釣ったバスやギル、キャットフィッシュのリリースが外来生物法、つまるところの「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」になぜ引っかかるのかというと、罰則規定の中に「特定外来生物に指定されている生物を野外に放すことは罰則対象」とあり、違反を咎められて有罪となると「3年以下の懲役や300万円以下の罰金」が科せられることになります。法や施行細則の条文には「野外に放つことはダメ」としか書いていません。現在は条文のスキマを穿ったような法の運用はなされていませんが、釣った魚のリリースは杓子定規に条文を読み下すと「野外に放つ」行為となり、罰則の対象になるわけです。こういう法の運用が行われる可能性ってのは1つしかなく、それは「外来生物法に則って違反行為を指摘された釣り人がひたすら居直って何度注意されても聞く耳を持たない」など、悪質な行為を繰り返した場合です。他の罰則規定のある法律もそうなんですが、法のスキマを利用した警察や行政が法のスキマを利用した摘発・逮捕・起訴を行うのは、行政機関に対して「法の隙間を利用してでもこいつを法廷に引きずり出して収監してやる!」と決意させるようなことを繰り返した場合です。ですので、本場のアメリカではリリースが普通なんだ!と息巻くのは個人の勝手ですが、ここは日本国内であり法でバスやギルのリリースが禁じられている以上、釣った魚は法に従った処理をするべきでしょうね。バスはともかくキャットフィッシュは食ったら美味いと思うんだけどなあ、日本のナマズなんてむちゃくちゃ美味いですし。
 
○MT-09 traerがやってきた
 急遽納車が決まり、急いで書類やら現金やらを用意して受け取り体制を整えて週末を迎えました。いやー、なんか待ち焦がれた相棒って感じでした。午前、用事で北浜に行く前にバイク屋で支払等々を済ませ、用事が終わって歩きながら戻ってきていると電話がありまして、急いで地元へ戻りました。店についたら書類は丁度陸運局へ持ってってる最中でして、その間にTT-Rから下したETCの設置作業や純正キャリアの仮設置、バッテリーの接続といった艤装作業を行いました。で、夕方5時過ぎに書類が戻ってきまして、その段階で燃料を入れるためにちょっとだけ走ってみたのですが、ぶっちゃけ初めて乗ったバイクとは思えないくらいしっくりくる感じでした。TDM900の新車の時もここまでしっくり感はなかったのでびっくりです。ただ、先に納車された車体でも気になっていたハンドルの引き角はやはりかなり気になります。あとハンドル総幅もTT-Rに付けてるZETAのYZ250用よりまだ広いので、やっぱ多少エンドカットして詰めないとだめかなぁという感じでもあります。ただ、100qほど走ってみてからはグリップ位置自体はそれほど気にならなくなったので、すり抜けなどで問題になる総幅を詰める目的でブラッシュガードの撤去とTDM900用純正バーエンドへの換装を行うつもり。すでに部品は発注済みです。
 
○MT-09 tracerの初期インプレッション
 エンジンは3気筒だけど4気筒っぽい感じです。BEATとか思いっきり3気筒の感じでしたが乗ってる感じではEXUPが死ぬほど効いてるFZR750という感じです。大幅に変更の入ったSTDモードは開け始めはかなり穏やかになりました。ある程度開けるとMT-09らしい猛々しいバカ加速に転じますがね。足回りは当初は固いと思っていたのですが、アタリが付き始めてからはそこそこ良く動いてるのが分かります。でもイニシャルはやっぱり固め。この辺は初期慣らしが終わったあたりに六甲宝殿や十万辻で調整かな。ハンドリング特性はすごく不思議な感じで、少なくとも今までのロードバイクの常識はちょっと通用しない感じなのはMT-09譲りです。ステップ位置はMT-09無印に比べるとシートとの位置関係がずいぶんマシになりましたが、それでも結構バックステップ気味ですね。蹴り込んで倒しこんで外足でバランスを取るみたいな不思議な操作が必要でした。慣れてくると結構スイスイ曲がります。直進安定性はTDM900譲りな感じでちゃんとマテが出来ます。クルマの後ろについて走っていても全然苦にはならないし、前に出て飛ばすとスイスイ走るしで、低速の扱いが楽になったぶんだけTDM900より楽なツアラーに仕上がったと思いました。
VOL852:平成27年02月16日:納車日決定
○教えるって難しいんだよ
 SHIROBAKOの17話で出てきた話。ムサニに入ってきた新人アニメーターにエマちゃんがやたら懐かれてて色々指導しており、そのことについて長老アニメーターから出てきた言葉についてです。作中の台詞の要約みたいなものですが、「人を教えるということは自分も教えることになる」、「自分の中で事象にいて自分なりの解釈が出来てないと人に教えることは出来ない」というものです。これは別にアニメーターに限った話ではなく、例えば勉強の指導なんかもそうです。実際に塾講師や家庭教師として教えてみれば分かるのですが、とりあえず分かったというのは10段階の理解度評価で6、試験を受けてそこそこ点数がちゃんと取れるのが8、教えられるのが10って感じです。何事であれ自分の中で理論を再構築できてないと教えることが難しいのです。この放送回のエマの台詞などでもその辺はよく出ていて、とあるシーンの動画に対して「予備動作が足らないから動作と動作の間に脈絡がないので、この絵を1枚足せば繋がる」という的確な指導が出来ていました。結構色々と考えさせられることのあるアニメだなーと思っています。
 
○BMW F800RとMT-07
 新聞記事を読んでて、今年FMCされたBMWのF800Rは4速から6速に変更されたっていう記述を見て、先代F800が4速だったことに驚きを禁じえませんでした。私が試乗したことのあるF800はそのもう1世代前の初代F800ですが、こいつはたしか6速ミッションでした。同クラスのMT-07と比較するとやっぱり古い分だけモッサリ感も大きく、どっちかというとF800の対抗馬は4EP-TDM850だなぁという感じでした。今回のは試乗してみないと分からないのでBMWの1日試乗プログラムで借り出してみるのもありかなーとは思っているんですが、スタイリングに関してはガチでMT-07を意識しているのは見え見えで、BMWがいかに今のヤマハに脅威を感じているのかがよく分かる商品だと思います。実際、MT-07は走らせて見ると分かるのですが、スタンダードに作られたスタンダードなスポーツバイクで、国産の対抗馬は同考えてもGSR750です。MT-09が俊敏でパワフルなレスポンスにやわらかめの足回りという素性のせいで、セッティング能力も含めて乗り手を選ぶジャジャ馬戦闘機なのとは大違いです。ええ、YSPのレンタル試乗プログラムで試乗しましたよ、MT-07も。私は乗らずに語るようなアホなまねはしたくないのもありますので、一度新しいF800Rは試乗してMT-09 tracerとの比較はしてみたいなと思いました。
 
○MT-09 Tracerの納入日確定ktkr!
 月曜日、先行して第1ロットで納入が決まっていた赤がやってきました。私の頼んだ色は第2ロットで、元々は月末だといわれていたのですが、急遽2/20金曜日に届くことが決まりました。それはさておき、届く前に実車でいろいろ確認したいことがあったので、頼んだ本人には悪いけど先にミリミリと見させてもらいました。
 

側面/隣のMT-09が恐ろしく小さく見える
  

タンク側:150o広いのは間違いなくナックルガードが原因

 第1印象はとにかくでけぇ!TDM900と変わらないデカさでした。MT-09と並べても大きさが違いすぎて笑っちまいます。細かい点はMT-09 tracerの紹介項目におまけの検討段階の話とかを立てて説明するとして、実車で確認したかった点は大体チェックしました。まずハンドルは型番が違うのは構造の差(物理的サイズは同じ)なこと、シート下やシート周辺の構造、ピリオンステップ周辺の構造といった、ETC車上装置やパニアの取り付けで必要なところは大体わかりました。当面の最大の懸案はやはり広すぎるハンドル幅とオンボードDVの固定方法なので、まずはここを中心に検討することになりそうです。特にオンボードDVの設置はスクリーン周辺を使って工夫する必要がありそうな感じです。
VOL851:平成27年02月09日:例年通りの節分の話
○節分と巻き寿司
 ここ数年、7-11が食いついて色々やりだしてから全国的に広まった恵方巻とかいうイベント。父方の血筋で言うと文献で見る限り西暦200年代半ばから続くガチ関西血筋の私ですが、子供のころは私の居住エリアでは恵方巻なんてイベントは全然やってなくて、同じように北摂エリアでは子供のころは聞いたことがないというのが大半でした。そもそもの元祖が江戸時代だかの大阪の旦那衆が遊郭や女郎屋で遊女や芸舞妓に太巻きを無言で食べさせ、その横顔を見ながら太巻きを自分のイチモツに見立ててフェラチオしてる姿を想像する、というかなりの高等エロスキルを要求される下品な遊びだったので、思いついた奴は頭がいいのやら悪いのやら。ほかに太巻きを使った遊郭遊びにフェラチオロシアンルーレットがあり、目隠しをした遊女に太巻きをくわえさせると見せかけて時々自分のアレをくわえさせる(だから噛み切ったらダメといわれる)というのもありました。明治維新前後から「横を向く」が「恵方を向く」、「男根」が「鬼の金棒」に変わって節分の厄除けという名義になっり、そういう旦那衆の地元で節分の行事に化けていったようでした。基本的には船場〜長堀付近の旦那衆の遊びだったので、北浜や堂島のエリアの旦那連中は「んな下品なwwww」だったようです(そういう遊びの存在と背景は知っていたようです)。
 
 庶民の中にそういう金持ちのアホな遊びが降りてきて広まったのは昭和にはいってからのようです。というのも、そういう店へ丁稚奉公で出入りしていた子らが成人し所帯を持ち、旦那衆がやっていた「恵方(ええほう)を向いて黙って太巻きをかじる」を節分の行事として持ち帰って広まったようでした。twitterのTLを見ていても恵方巻を80年代より前にやっていた家庭は主として「ミナミ」に縁がある人たちで、阪神間でも阪急沿線は知らないといい、尼崎以西の阪神沿線や西大阪線沿線出身者は知ってると返答が来ます。また、大阪とはまったく関係のない奈良や四日市では「やっていた」ということで、戦前から大軌や参鉄(今の近鉄)でミナミと繋がっていたエリアとの差は顕著です。実際に人文的な学術調査をした結果ともTLでのビッグデータは齟齬がありません。
 我々阪急・国鉄沿線民のような「キタ」に縁がある人やそもそも大阪に縁がない人たちは90年代になってローカル番組で取り上げられた(海苔の販売業界が販売促進で目を付けた)あとで、その時期に寿司屋が便乗し始めたのが広まったキッカケでした。寿司屋をプッシュした海苔の販売業界団体は船場に本部があり、その手の番組には大島屋のような海苔メーカーがスポンサーについていました。恵方巻をフルボッコにされた結果、子供のころからやってたんだけどなーっていう方々がしょんぼりするのは当然だと思うのですが、アラフォー世代で子供のころに恵方巻がなかったエリアの住人にとっては突然「関西の風習!」と全国区で言われたら「そんなん知らんし!」となりますし、ましてや発端が遊郭のフェラチオ遊びだったと知れば「んな下品な遊びを広めてくれるな」とブチギレるわけです。どっちにしても大手量販店業界のゴリ押しっぷりが一番目に余るのは、みな共通の思いのようで。
 
○真のリベラルとは
 最近、10年以上ぶりくらいに阿川弘之の米内光政海軍大将と井上成美海軍大将の伝記を読み返しました。これより前に読んだのは大学時代なのでかれこれ15年ぶり以上ですね。高校時代などにも山本五十六元帥の伝記と合わせた三部作は何度も読んでいるんですが、大人になってからはすっかり読んでいませんでした。軍艦長門の生涯も海軍愛読書の1つであり、学生時代に海上自衛隊の幹部候補生を目指したのはすべてがこの阿川作品の薫陶を受けたからという中二病っぷりでした。閑話休題、海軍大臣時代や総理大臣としての米内大将の発言の数々や考え方、また米内大将を補佐した次官としての井上大将(海軍大臣次官のときは少将ですね)の考え方など、当時は左翼だとして主戦派の単細胞な若手将校などからは陸海軍問わず命を狙われたというほどだったそうですが、戦後70年を経た今読んでみると凄くバランスに富んでおり、どちらかというと中道左派くらいのライトなリベラルとも言うべきものだと思います。また、今回読んでみて気づいたことですが、今極左の連中が軍国主義だ極右だと指弾している安倍内閣の基本方針ですが、実に米内光政の考え方と近いもんでした。こちらからの交戦は積極的に回避し、国際情勢を交渉を主として出来る限り乗り切り、それでも降りかかる火の粉は最低限の実力行使で最大限の効果を得るためだけに使うというものです。80年前には左翼的で軟弱といわれた思想が現代では極右だといわれるとか、なんか時代の変化では説明が付かないくらい意味不明だよなー、というのが私の感想でした。
 
○確定申告と交通費
 確定申告のシーズンですが、「派遣社員の交通費支払いはしないので交通費としての控除計算はしない」という派遣会社に対し、やって損はない交渉があります。確定申告の控除項目には「給与所得者の特定支出控除」というものがあります。これは、給与所得者が通勤費用などを自己負担した場合、「給与を得るために必要不可欠な支出」として控除が認められるものです。私の派遣契約みたいに交通費が全額別途実費支給の場合は給与以外に交通費としての支給がありますので、この手の申請は使えません。しかし、マンパワージャパンやリクルートスタッフィングのような「交通費としての支給は一切しないので給与から自分で支払ってください」という場合、本来であればこの特定支出控除を使うことになります。ただしこれには落とし穴がありまして、特定支出の内容について雇用者(=派遣元)が承認する必要があります。私が最近修正申告で還付を受けた例ですが、交通費は給与に含まれるという説明の元に派遣されて年末調整でそんな控除はないと突っぱねられた例なんですが、最終的には労働基準監督署経由で不正経理だとツッコミを入れ、「自宅からJR最寄り駅のバス往復+JRの往復運賃+JR駅から職場までの往復バス運賃」を定期代や回数券ではなく実費で経路計算し、出勤日数から毎月の実費と総額を計上し、12か月分40万円弱の交通費を承認させました。まあ、とっくに退職してて縁切り宣言してるからこそできる手段ではあるんですが、別の事例では「確定申告で使うだけだから書類内容の承認さえもらえれば問題ない」と押し通した例もあるそう(税理士の話)で、やって損はないので派遣元やバイト先と相談するのはありだと思います。ちなみにこれで還付を受けられるのは5年以内の所得税のみで住民税は還付できません。
 
(C)H27 Takayuki Kazahaya